日本高野連は、夏の甲子園と8月10日に開幕予定だった第102回全国高等学校野球選手権大会の中止を発表しました。大会の中止は戦後初となります。その他の地方大会も中止となりました。
野球部である高校生は、甲子園を目指して日々の練習をしています。3年生にとっては、今年が最後の大きな大会であり、3年間の集大成を試合にぶつけるために努力してきました。ですが残念なことに、新型コロナウイルスの影響で全ての大会が中止となってしまいました。その中で、各都道府県が代替え試合を行おうとする動きがあります。
今まで甲子園を目指して3年間、毎日練習を重ねてきた高校球児にとってはとても残念な結果となってしまいました。
いくつかのテレビ番組では、「甲子園を開催すべきだ。」「中止になってかわいそう。」という声も上がっていました。ある専門家の方は「紫外線もあり、野球は屋外だからぜひ開催していただけないでしょうか。」というような意見もありました。
逆に、「大会の中止は妥当な判断。」「かわいそうだけど仕方がない。」「野球だけ特別扱い。」といった意見もあります。
ツイッターなどのSNS上でも様々な意見がありました。
大阪の吉村知事、甲子園中止に「考え直してもらいたい」 https://t.co/3doh8jDtKF
— バーチャル高校野球 (@asahi_koshien) May 20, 2020
高校野球に限らずだけど、小さな頃から目標として頑張ってきた若者の集大成ですものね。
— Kei (@choro_haha) June 3, 2020
色んな大会が中止になって可哀想すぎる。 https://t.co/0W0wP5WeHr
甲子園…中止にすべきの理由の中で、他の大会も中止になってるのに、高校野球だけ特別扱いは良くない、って理由だけは理解できないなぁ。できない方に引きずり込んでみんな同じって傷舐め合うより、できるところをみんなで応援する姿勢の方が大事なんと違うかなぁ。
— だみ (@IBMEGGSxuVzT1q1) May 19, 2020
やればやったで「高校野球だけ特別扱い」と言われるだけ。
— 弁護士 岩熊豊和 (@kumaben28091) May 20, 2020
時期をずらせば「学校は?授業は?」と言われるだけ。
命の守るだけでなく、世間の目から高校球児を守るためにも、中止は妥当な判断だと思う。
夏の甲子園中止を決定 運営委#Yahooニュースhttps://t.co/M3wJuHo6kW
僕の甲子園の中止の件
— EKAHI (@HikaiEkahi) May 22, 2020
甲子園が「教育の一環」と言うのであれば、インターハイの中止が決定しているので、
同様に夏の甲子園も中止が妥当かなと。
教育の機会均等から、外れてしまうの思うのです。
夏の甲子園にも足を運んだこともある、高校野球ファンとして。
#golf897
色々な考え方の人がいるので、意見が違うのは当然のことだと思っています。
一個人の意見ですが、私は開催すべきでないと思っています。
3年生の高校球児にとって最後の大きな大会で、今までの練習してきた努力が水の泡になってしまうかもしれません。
しかしながら、もし高校野球の大会が開催されたとして、「屋外だから問題ない。」という意見もありますが、試合が行われる場所までの移動は電車などの交通機関やマイクロバスが利用されるでしょう。球場へ向かうのに個人個人で行くことも考えられますが、仲間と待ち合わせをして移動することだって考えられます。
主催者側や各チームで密集しないことをルールに設けたとしても汗をかけば、目や鼻、口の付近の汗を手で拭うこともあるでしょう。そこからウイルスが身体に入ってしまうこともあります。試合前練習やボール回し、シートノックでもボールを受ける順番の待ち時間でも密になってしまうかもしれません。
野球はチームプレイですので、良いプレイが出たり、ホームランを打てば思わず、声が出てしまい、選手同士でハイタッチをしてしまうことがあるかもしれません。攻撃や守備の際に、ピンチやチャンスで選手同士が至近距離で個別に相談や指示を出すことだってあるでしょう。
色々なアクションを起こしたとしても確かにそれは屋外で人によっては安全のように思えるかもしれませんが、ベンチに複数の選手が入ればそれは密集しているのに変わりはありません。その中に、感染している選手がいればウイルスは風によって流れてきてそれを吸ってしまう場合だってあります。
また、今までの休みの期間中に複数の友人と一緒に食事をしていたり、遊んでしまっているのならば既に感染している可能性だってあるのです。消毒液を利用したりマスクをして対策や予防をしていたとしても感染してしまうのですから。
そのような選手たちが大会に参加してしまえば、自チームや相手チームの生徒、監督、コーチ、審判、大会関係者などにも感染のリスクが高まります。そこから家にコロナウイルスを持ち帰ってしまえば、家族にも影響をしてしまい、他の場所でもクラスターが発生してしまうような、さらなる感染拡大につながってしまうのです。
その他にも、試合が終われば選手同士での次の試合に向けてのミーティングや打ち上げが行われてしまう可能性があります。加えて、球児だけでなく高校野球の関係者の方々が試合前や試合後に選手にたくさん話しかけてしまうこともあるでしょう。
野球は屋外で行われるスポーツで、夏には気温が上昇し、太陽からの紫外線も強くなりウイルスが不活性化するという研究結果が発表されていますが、紫外線でウイルスが全て無くなり、感染リスクゼロになるということを考えるのは現実的ではないでしょう。また、大会中は曇りの日だってあります。
主催する予定の日程なども考えて大会の期間には制限もあり厳しい状況です。曇りの日は中止にするというのもできません。
最近では、読売ジャイアンツの坂本勇人選手や大城卓三選手にも新型コロナウイルスのPCR検査で「微陽性」という反応が出てしまいました。その他に、巨人の選手やスタッフ合計4名にもこれまでにウイルスに感染した経緯を示す「IgG抗体」を持っていたようです。プロ野球界にも新型コロナウイルスに感染したというニュースで衝撃が走りました。
色々なことを考えればこれだけの感染リスクがあることを考えられます。未知のウイルスであるのだから、100%の感染予防や対策は専門家でさえ、誰にも分かるはずがありません。「若い人だから感染してもすぐに完治する。」なんて考えてはならないのです。どんなに若い人だって感染後に悪化してしまえば死に至ってしまう危険性だってあります。
今回の高校野球の大会が中止になってしまったことは、3年間ほとんど休みがなく練習を積み重ねてきた高校球児にとって言葉が出ないほど悲しいことです。野球が好きなので、私自身も残念です。この状況から高校球児たちの未来に大きく変化を与えてしまうのではないかと色々心配です。ですが、今後大学進学や大学野球の道に進む選手もたくさんいるでしょう。また、生徒にとって大切な将来や命というものを考えたら、大会が中止となったことは妥当な判断ではないでしょうか。